[山本謳歌]TOURNESOL

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TOURNESOL 山本謳歌 第27回スクウェア・エニックスマンガ大賞 特別大賞 受賞作

読み切り作品。高津カリノさんの新作「ダストボックス」が読めないかなと覗いたら宣伝してたので読んでみた。

雑感

モザイクと目線枠を利用し独特の雰囲気に仕上がっている。可愛らしい絵とシックな絵の使い分けも良い感じ。
だが、私の理解力の問題かもしれないがいかんせんストーリーが入ってこない。
まず、最初に2ページに登場していた男。読み返すまで存在に気付かなかった。全体的に伏線物はもっと誇張してアピールすべきだったのではないだろうか。次に時系列が頻繁に入れ替わること。物語に集中できないし、何が起こっているのか分かりにくい。男Aと男Bの絵が混じっている回想シーンなんてセリフが誰のものか分かったもんじゃない。

贋作をテーマにした作品というとどうしても「地の底の天上」と比べてしまう。

こちらは本物と贋作という光と闇をそのまま描きながら、ぞれぞれの誇りをかけて戦い認め合うという王道を言葉ではなく物で表現するという素晴らしい職人技を感じた。

絵が好きだからこそ、絵をテーマにしたのだろう。だったら、その好きという気持を泥臭いまでに赤裸々に描き殴って欲しい。きっと、そっちの方が余程素晴らしい。